格安SIMが市民権を得たことで、スマホの利用料金も大変安くなりました。しかし、電池持ちの良さ、通話音質の高さなどから、ガラケー(フィーチャーフォン)の人気も一定を保ち続けています。ガラケーも、格安SIMを利用して料金を下げることはできないのでしょうか?
データ通信ができず、あまり安くもならない
ガラケーで各社のSIMカードを使用した場合、音声通話とSMSが利用できるプランであれば、そのまま利用可能です。しかし、ネット閲覧、Eメールなどデータ通信を利用する機能は一切使用することができません。
格安SIMは、データ通信を利用する際に、接続先をドコモ等大手キャリアからMVNO各社に切り替える設定が必要です。これが、いわゆるAPN設定と呼ばれるものです。スマホはこの設定が標準で行えるのですが、ガラケーは設定を行うことができず、大手キャリアへ固定されたままです。そのため、ガラケーと格安SIMの組み合わせでは、データ通信を行うことができないのです。
通話オンリーでも構わない、というのであれば、日本通信から「携帯電話SIM」が発売されています。これは、データ通信ができない、音声とSMSだけのプランです。ドコモから販売されたFOMA端末ならば利用することができますが、LTE端末は利用できません。
携帯電話SIMは下記の3プランから選択できます。
プラン名 | 音声プランS | 音声プランM | 音声プランL |
月額料金 | 1,290円 | 2,290円 | 3,710円 |
無料通話 | 1,300円分 | 2,700円分 | 5,000円分 |
しかし、ドコモならば「タイプSSバリュー」を「ひとりでも割50」で契約した場合、月額932円で、無料通信1,000円が含まれることを考えると、あまり安いとも言えない料金設定です。
代替手段は?
最近では、複数枚のSIMカードをシェアするプランが増えてきています。これは、音声SIM1枚+データ通信専用SIM2枚等の組み合わせで契約するものです。
スマホにデータ専用SIMを利用し、音声通話可能なSIMをガラケーで利用し、2台持ちすることで、冒頭の「電池持ちが良い」「通話音質が良い」というガラケーのメリットを享受することができます。ただし、2台持ちが前提となってしまうので、荷物が増えてしまうのと充電管理が面倒なのがデメリットです。
折衷案として、「らくらくスマートフォン」などの、高齢者向け端末を利用するという方法もあります。こうした端末は、機能が制限される代わりに電池持ちが良く設計されています。また、耳の悪い方が多い高齢者でも使用しやすいよう、電話音質が高いものが多いのです。
F-09Eのような、一般のAndroid機能を備えたプレミアム機だけでなく、Google Playが利用できないように制限されたF-06Fでも、APN設定が可能なため、格安SIMが利用可能です。