トリニティは、販売するWindows 10 mobile搭載のスマートフォン「NuAns NEO」の新機種を発表し、Windows 10 mobileからAndroidへのシフトを発表しました。VAIO Phone Bizと同様、Microsoftや大手IT卸のサポートを受け華々しくデビューしたはずでしたが、なぜAndroidへと舵を取り直したのでしょうか?
アプリの充実度が圧倒的に違う
トリニティの発表によれば、今回のモバイルOSを変更した理由は、「アプリケーションの数」「市場の声」を優先した結果であるということ。確かに、iOSのApp Store、AndroidのGoogle Playと比較すると、Windowsの「ストア」に用意されているアプリケーションは圧倒的に少なく、不便です。
筆者もVAIO Phone Bizを持っていますが、やはりアプリが少なく、利用頻度はAndroidに比べ少ないです。Twitter、Facebook、Instagramなどのアメリカ製SNSアプリはありますが、日本で人気のLINEはスタンプを購入できないなどの制限があります。
また、KindleやLINEマンガ、2ちゃんねるビューワなどの人気アプリも適当なものが無いため、スマホ利用の大部分を占めるエンタメ端末としての使い勝手はお世辞にも良いとは言えません。
以前の発表では、AndroidやiOS向けのアプリを容易に変換できるとされていましたが、こうしたプロジェクト自体が終了したとの噂もありました。
こうした状況を踏まえてか、各社のWindows 10 mobile搭載端末は年末から現在にかけてバーゲン対象になっていることをよく見かけます。
良いところは無いの?
結果論的になりますが、VAIOの名前にもある通り「ビジネス端末」としての活用が今後は主になるのではないかと思います。アプリが少ないことは、そのまま不正利用をさせないことにつながります。
また、Google謹製のNEXUS、PIXEL以外のスマートフォンは、OSのアップデートがあまり行われませんが、Windows 10 mobileでは、WIndowsパソコン同様端末に関わらずOSのアップデートが配信されます。セキュリティを重視する法人利用には大きなメリットでしょう。
Officeアプリケーションの再現性や、あたかもPCのように利用できるContiniumなど、他にはない売りをもったWindows 10 mobileですが、現状はかなり旗色が悪いといえます。今後の巻き返しに期待します。