通信速度は「12〜27Mbps」といった実効速度表記へ


graph現在は最大150Mbpsといった理論値で表記されている通信速度を、実際に計測した速度(実効速度)での表記に変更する動きが、総務省で進められています。

 

各社が全国1500地点・同条件で実効速度を計測

当サイトでもそうですが、公式サイトや広告等でキャリアやMVNOが表示しているデータ通信の最大通信速度は理論値です。

実際に利用すると、数分の1以下の速度で、理論値の速度が出るということはまずありません。

「公表している理論値と実際の速度がかけ離れているのは、消費者にとって好ましくない」ということで、総務省は携帯キャリアに対して是正を迫るべく、各社共通の計測手法ガイドラインの策定を進めています。

現在、有識者会議でまとめられているガイドラインの内容は、全国10都市でランダムに選定された約1500地点で実地調査するというものです。
そして計測した速度のうち、中央値に近い半数の値の幅を表示します。

例えば以下の5つの計測結果で見てみましょう。

  • 10Mbps/12Mbps/19Mbps/27Mbps/30Mbps

中央値に近い半数、つまり5つの半数となる真ん中の3つ(2.5を四捨五入)の値の幅である「12Mbps〜27Mbps」と表記されることになるわけです。

今回のガイドラインは、早ければ2015年末から各社に適用される予定です。
適用されれば通信速度の面で、いよいよキャリア3社の本当の実力が明らかになります。

特にソフトバンクは、独自調査による「通信速度No.1」を大々的に広告してきました。
ネット上ではソフトバンクの通信速度を疑問視する意見が非常に多いため、総務省のガイドラインに沿った計測で、本当にNo.1を達成できるのかは見物です。

 

MVNOの実効速度公表にも期待

今回の通信速度計測ガイドラインはキャリア(MNO)が対象で、MVNOはキャリアの計測結果を活用する方向で進められています。
ですが、MVNOはほとんどがドコモの回線を使っているため、ドコモの実効速度を各MVNOがそのまま表記すると、結局すべて横並びになってしまう可能性があります。

そもそもキャリアの実効速度はMVNOに比べて安定しています。
ですからユーザーにとっては、通信速度に差が出やすいMVNOこそ、実効速度での表記が大きな判断材料になります。

雑誌やウェブでは、独自の通信速度調査が出ていたりしますが、計測値は数カ所程度で、全国各地1500か所といった大規模な調査はさすがにありません。

MVNOにも公的な実効速度計測ルールが早く導入されることを期待しましょう。


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