MVNOに期待されている項目としては、DMMのように、3大キャリアではできないような大胆な値付けや、USEN-MUSIC-SIMのような、サービス提供企業ならではの付加価値付与があります。新たにもう一つ、新しいブームとなりそうなのが「マルチキャリア化」です。
mineoのドコモ回線提供がいよいよスタート
以前に本サイトでご紹介した、 ケイ・オプティコムが提供するau系MVNOサービス「mineo」ですが、8月18日に正式にドコモ回線の提供を発表しました。マルチキャリアMVNOとして、ドコモ・auの枠を超えてパケットをシェアできるほか、9月に「パケットギフト」という取り組みを開始し、家族の枠も超えて、mineo契約者間で高速通信枠の譲渡が行えるとのことです。
さらに、au⇔ドコモのキャリア変更も2,000円で実施可能とのこと。3大キャリア間でこれを実施しようとすると最低でも5,000円はかかるとのことですので、お得な端末を見つけた場合など、タイミングに合わせたキャリア変更も比較的敷居が下がるのではないかと思います。
今後もマルチキャリア化の動きは加速?
5月にmineoが「日本初のマルチキャリアMVNO」としてサービス拡張を発表しましたが、実は5月から現在までの間に、QTNetがすでにマルチキャリアMVNOをスタートさせております。パケットシェアこそ実装していないものの、端末の流用などでメリットがありました。QTNetは一般に法人ユーザを対象としたサービスでしたので、mineoは個人向けで初のマルチキャリアサービスとなります。(事実、mineoのサイトにもそのように記載されています。)
こうした動きはここ半年で活発化したものですが、実は、2013年時点で日本通信は3大キャリア全てを跨いだマルチキャリア化を見越したプレスリリースを行っています。
日本通信、KDDIとソフトバンクモバイルにも、相互接続申し入れ
この際には実現には至らなかったようですが、今回のmineoの動きを受けて、日本通信が再検討する可能性は充分にあるでしょう。また、シェア上位のOCN、IIJにも動きが出てくると面白いのではないかと考えております。もっとも、OCNについてはサービス提供企業がNTT系のNTTコミュニケーションズというところからすると難しいかもしれませんが… …。