格安スマホを色々と物色していると、「技適マーク」という表記を目にすることが多くなります。なかなか一般的には聞かないこの言葉。どういう意味があるのでしょうか?
日本国内で使用して良いという証
技適マークとは、乱暴に言うと「日本国内で使用して良いという証」です。具体的には、技術基準適合証明と技術基準適合認定の両方を取得していることを指しています。
技適は端末ごとに取得し、ステッカーなどで張り付けるか、電磁的に表示することが必要となります。「iPhone 6 Plus」の場合では、設定→一般→情報→法律に基づく情報→認証の順で表示することができます。パッと見では貼られていないようであっても、電磁表示ができるようになっているか、バッテリカバーの裏など目立たないところに貼り付けされています。
技適を取得していない端末では、通話、モバイル回線、Wi-Fi、Bluetoothなどいずれの無線通信においても違法となります。量刑は1年以下の懲役又は100万円以下の罰金刑とされており、決して軽いものではありません。
通常、キャリアから端末を購入する場合や、「ZenFone」などのSIMフリースマートフォンを購入する場合、メーカーがこの技適を取得していますので、何ら問題になることはありません。
違反しがちなのは、通販やオークションなどで、通常日本では購入できないような端末を購入した場合です。Xperiaなど、日本で購入できるブランドでも、日本未発売モデルでは技適を取得していない可能性があるので注意する必要があります。
求められる法改正
このように面倒な法律が存在する理由として、「電波は公共のものである」という理由があります。個々人が好き勝手に無線を利用すると、混線してしまい、緊急放送など、本来必要なものが、必要な人に届けられなくなる可能性があるからです。
その一方、「外国人観光客が、SIMフリースマートフォンを日本に持ち込んで使用する場合は罰しない」という特例化も検討されています。東京オリンピックに向け、外国人来国者への規制緩和は大事なことと思いますが、法の趣旨に基づくとちょっとクエスチョンが付くのも事実です。
そもそも、現代のように、一人が一台どころか複数のモバイル端末を所有する時代になるとは、法が制定された当時には想像も着かなかったはず。電波の混線は困りますが、時代に応じた法改正も必要なのではないでしょうか。それにより競争と自由化が進み、携帯料金の低下を加速させるのではないかと考えています。