格安SIMの契約数は純増ペースが加速、楽天モバイルが急伸


最近は格安SIMのCMを見ることも多くなりました。また、コンビニの雑誌コーナーにも「格安SIM」「MVNO」の見出しが着いたものが多くあります。数年前はマニアックな商材だった格安SIMが、ここまで市民権を得たことには隔世の感があります。具体的に、どのくらいの人が格安SIMを利用しているのでしょうか?

 

MVNO契約数、2015年後半以降に純増ペースが加速

総務省が3月に発表したデータによれば、携帯電話にPHS・BWA(広域無線)を加えた移動系通信の契約数は1億6,078万、そのうち格安SIMことMVNOサービスの契約数は1,155万に達したことが明示されています。約14%がMVNOサービスとなっている格好です。

通信サービスの世界では、加入者数など統計値の変化を表す数値として、「純増数」が良く使われます。これは、増加数から減少数を差し引いた、純粋な増加数ですが、この推移を見ると、2015年の前半までは四半期の純増数は40万から60万の間でほぼ横ばいだったものの、2015年7~9月期より急伸が見られ、65万の純増を記録しています。10~12月期はさらに伸びており、2015年後半に入りペースが加速したことが明らかになっています。

サービスの拡充や大手事業者の相次ぐ参入で、マニア向けだった格安SIMが、一般利用者にまで普及してきたのがこの時期と言えるでしょう。2015年10~12月期は、携帯電話の純増数153万契約に対し、MVNOの純増数は87万契約にまで達しています。厳密ではないものの、単純に比較すれば、純増の半数はMVNOが稼いだ格好となります。

 

急伸する楽天モバイル

事業者別では、楽天モバイルの急伸が目覚ましいです。MMD研究所の発表によれば、楽天モバイルのシェアは15.9%に達し、11.3%のIIJを抜いて業界シェア第2位に躍り出ています。首位のOCNモバイルONEは16.4%となっており、近い将来楽天が業界トップシェアを奪取する可能性も大いにあります。これは、拡充を続けるサービスはもちろん、本田圭佑選手を起用したCM/イメージ戦略や、提供端末の半額セールなど戦略的営業の賜物ではないでしょうか。

l_st_mmd-01なお、契約プラン別では、音声通話プランの利用者は楽天モバイル、データ通信プランはOCNモバイルONEが首位となっており、どちらも圧倒的大差です。いずれも楽天、OCN、IIJのトップ3が上位を独占しており、3社合計で約4割のシェアに達します。

 

l_st_mmd-02

3大キャリアは高いけれど、安かろう悪かろうは困る、多くの人が使っている=信頼性の高いサービスを使いたいという利用者のニーズが透けて見えるような気がします。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です