「実質ゼロ円」をめぐる3大キャリアと総務省の不毛な戦い


000000014総務省は、4月5日、NTTドコモとソフトバンクに対し、スマートフォン等の実質ゼロ円販売を見送るよう要請しました。

 

iPhone SEも巻き込んだゼロ円騒動

ドコモに対しては、複数台の購入でスマホが数百円となるような割引を行ったことから、スマホ販売の適正化を求めるガイドラインの趣旨に沿わないとし、同省はこれをやめるように求めました。

これに対し、ドコモは「総務省から要請を受けたことについて、ドコモとして真摯に受け止めている。要請の内容を踏まえ、今後の対応について検討していく」とコメントを発表しています。

ドコモでは、3月末にもアップルの新スマートフォン「iPhone SE」のうち16GBモデルについて、FOMAからXiへの契約変更社に対し実質ゼロ円での提供を発表していましたが、最終的には「実質648円」、契約期間の24カ月で割ると月々27円(!)という価格に変更するという事態もありました。これについても総務省からの指摘があった結果のようです。

またソフトバンクでは、多くの機種で端末価格以上の行き過ぎた割引があったとされ、速やかに対応するよう要請し、またその結果を書面で報告するように求めました。

ソフトバンクは要請に従うと同時に、
「トップシェアである競合事業者の機種変更時のスマートフォン価格と解除料等を踏まえると、当該価格と当社が設定するMNP時におけるスマートフォン価格との間に相応の価格差がない限り、市場における競争を減殺させ、消費者に不利益を生じさせるおそれが高いとの判断を行っている」
「MNP利用者向けの割引は、端末購入を条件としておらず、従って、競合事業者が提供するデータ量のシェアプラン等と同様な通信料金割引の一種であり、端末購入補助とは本質的には性質が異なるものであるという認識のもと、設定を行っている」
といった、反発心も見え隠れするコメントを残しています。なお、auについては今回指摘がありませんでした。

 

本来の趣旨から外れていないか?

そもそも、過剰な端末割引きへの是正勧告を行った趣旨は、MNPを優遇することを制限し、長期間キャリアを乗り換えない利用者が不当に高い料金を支払うことが無いようにすることだったはず。さらに言えば、こうしたことに起因する通信料金の高止まりを防ぐことでした。

今回の一件で受ける印象は、「単純に値下げが止まっただけ」ではないかと言うこと。現状のままであるならば、価格競争があっただけ、これまでのほうがマシだったようにすら思います。

高性能端末の入手などで魅力はあるものの、3大キャリアの通信料金値下げは遅々として進まないのが事実。納得がいかない方は、格安SIMを積極的に検討しましょう。


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