甚大な被害となった平成28年熊本地震。3大キャリアは、「00000JAPAN」の名前で公衆無線LANを開放するなどの処置を行うとともに、通信量規制の解除を一時的に行うなどの措置を行いました。MVNOにおいて行われた対応をまとめます。
データ通信量追加が主
主なところでは、下記事業者が、熊本県に契約住所のある利用者に対し、対応を行いました。
事業者名 | 対応 | 備考 |
mineo | パケットシェアを行うフリータンクの機能を開放 | ユーザーサイト「マイネ王」への登録が必要 |
IIJmio |
|
|
OCN モバイルONE | 5 月末まで利用できる 5GB のデータ容量を追加 | |
イオンモバイル | 2GBのデータ容量を追加 | |
DMM mobile | 2GBのデータ容量を追加 | |
楽天モバイル | 4月利用分の月額料金を免除 | 通話料、SMS送受信料、その他オプションサービスは対象外 |
表を見ると、通信可能データ容量の追加を主として、一部事業者が4月~5月の利用料金免除という内容でした。価格競争が激しく、一部プランでは原価割れも噂されるMVNOですが、人道的見地から最大限の対応を行ったものと考えられます。
MVNOは、災害時不利か?
MVNOだと、大規模な災害時に不安があるという方も多いのではないかと思います。事実、大手キャリアが災害時に提供する災害掲示板は、MVNO回線で利用することができません。しかし、NTT東西や、Googleが同種のサービスを提供しているため、こうしたものを使えば大きな問題はないものと思われます。
気になるのは、通信容量の部分かと思いますが、大規模災害後は通信自体が不通になることがほとんどで、3大キャリアにおいてもその限りではありません。良くも悪くも、こちらについてはあまり関係ないと考えられます。また、冒頭お伝えした「00000JAPAN」のホットスポットは、あくまでフリースポットであったため、無線LAN機器であればMVNO回線であっても接続可能でした。SNSには損壊した家屋や道路の写真などが多くアップロードされていましたが、こうした使い方をせず、最低限度の通信のみであれば、上記表のような通信量追加で賄える可能性は高いと思います。
MVNOだから不安、3大キャリアだから安心ということよりも、普段から防災に対しての備えをきちんとしておくことが大事でしょう。