SIMロック・SIMフリーとは


various-sim-cards-300x200よく耳にするようになった「SIMロック」「SIMフリー」「SIMロック解除」という言葉。
その意味をわかりやすく解説します。

 

 


SIMロックとは?

「SIMロック」とは、通信キャリア(携帯会社)で販売されている携帯電話・スマートフォンに、別のキャリアで使えないようにロック(鍵)がかけられていることを指しています。
ドコモで販売している端末なら、ドコモでしか使えないように、ソフトバンクの端末ならソフトバンクでしか使えないようにSIMロックがかけられているわけです。

AppleのiPhoneなど、3キャリアで同じ機種が販売されている場合も、それぞれにSIMロックがかけられています。そのため、MNPで乗り換えてSIMカードを差し替えても、通信も通話もすることができません。
特殊な方法や改造によって強制的にSIMロックを解除することもできますが、完全に自己責任となります。

SIMロック解除機能がある端末なら、有料(3,000円程度)で解除してもらうこともできますが、以前は一部の機種に限られていました。
2015年5月のSIMロック解除義務化により、以降はSIMロック解除に対応した端末がキャリアから販売されています。

 

SIMフリーとは?

「SIMフリー」「SIMロックフリー」とは、端末に元々SIMロックがかかっていないことを指します。
SIMフリーの携帯電話・スマートフォンであれば、SIMカードを差し替えるだけで、ドコモでも、auでも、OCNモバイルONEなどのMVNOでも自由に通信ができます。

海外の端末はSIMフリーが一般的で、端末は端末、携帯会社は携帯会社と分けて自由に選ぶのが普通です。持っている端末によって携帯会社が縛られないわけですから、割安なMVNOの普及も進んでいます。

日本では、自分が使っている携帯会社が販売している端末から選ぶしかないので、大きな違いです。

 

SIMロックからSIMフリー化の流れ

日本はなぜSIMロック、SIMロック解除義務化、SIMフリー化……と、ややこしいことになっているのでしょうか。
その理由は、ガラパゴスとも言われた日本の携帯通信業界の独自性にあります。

日本では昔から通信キャリア(携帯会社)を中心とした業界構造になっていて、街の携帯ショップ(販売代理店)による携帯電話の販売まで、キャリアが主導していました。
端末メーカーへの影響力も強く、開発にも口を出してきたため「ガラケー」と呼ばれる日本独自の進化を遂げたわけです。(一方で世界標準のスマートフォンへの取り組みが遅れました)

販売代理店には多額の販売奨励金を支払っていたため、ほとんどの携帯電話・PHSが0円で売られていた状況を覚えている人も多いのではないでしょうか。
SIMロックがかかっている端末なら、0円で販売しても、ユーザーが支払う割高な通信料金によってすぐに元が取れるというわけです。

総務省は異常に高い販売奨励金を問題視し、是正に動きましたが、そこから総務省とキャリアのせめぎ合いはずっと続いています。

「2年縛り」もキャリアの対抗策です。
2年間ごとの更新で、途中解約に多額の解約料を取るようにしたことで、MNPによる乗り換えを防ぎ、顧客の囲い込みを図りました。

さらに「月々サポート」。
端末代を24か月間にわたって少しずつ割り引くことで、2年縛り契約と別のタイミングで実質2年間縛られることになります。

他社からの顧客の奪い合いのため、MNPでの乗り換えに限っては多額の販売奨励金の支払いが復活・過熱しました。そのためMNPは0円なのに機種変更は6万円といったように、販売金額に大きな差がつくことになりました。

キャリアの販売奨励金は、ユーザーが支払う通信料金が源泉ですから、MNPで乗り換える人は得をして、ずっと同じキャリアを使う人は損をするという構造になります。
この歪んだ構造も、すべてはSIMロックによって端末がキャリアに縛られていることが原因です。そのため、総務省はSIMロック解除の義務化、そしてSIMフリー化を強く推進しているのです。

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