Point3 格安SIMに乗り換えるタイミング


point3すでにスマホを持っている人は、「どのタイミングで格安SIMに乗り換えるのが得か」も考えておくべきポイントです。
キャリアの2年縛り解約料やスマホ端末代金の残金、月々の割引を考慮したベストなタイミングについてご説明します。

 


大手キャリアによる2つの「縛り」

ドコモ、au、ソフトバンクは解約を抑止するための施策として、2つの縛りを設定しています。
1つ目は、「回線契約による2年縛り」
2つ目は、「端末を購入した際に24か月間にわたって料金を割り引くサービス」です。

ドコモでは月々サポート、auでは毎月割、ソフトバンクでは月月割と呼ばれるもので、これにより「実質0円」でスマホが手に入ると利用者に錯覚させています。(本当は、必要以上に割高な毎月の通信料金の一部が、割引として還元されているだけ、という巧妙なからくりなのですが…)

さらに、同じスマホを25か月以上使えば使うほど、割引がなくなる分、支払額が高くなり、また新しいスマホを購入し24か月間縛られるというサイクルに陥るわけです。

この2つの縛りが同じタイミングで途切れるという人は、かなり少数派でしょう。
そのためMVNOに乗り換える場合、多くの人がどちらかの縛りで解約金などを負担することになります。

2つの縛りが途切れる期間とコストをまとめた表がこちらです。

  コストがかからない期間 途中解約にかかるコスト
回線契約による
2年縛り
契約から25か月目からの2か月間 解約料9,500円(税抜)
24か月間の
割引サービス
端末購入から26か月目以降 毎月の割引金額(2,500円〜4,000円前後)
×残りの月数

表で比べると、解約金が9,500円で一定の回線契約の縛りに対して、割引サービスは残りの月数が残っているほど数万円もの割引を受けられないことになります。
ですから、割引サービスが何ヶ月分残っているかが、MVNOに乗り換えるタイミングを左右するように感じるかもしれませんが、実はそうではありません。
その理由をご説明していきましょう。

 

チェックすべきは回線契約の縛りだけ

今度は2つの縛りを時系列の簡単な図にしてみましょう。

「月々の割引サービス」は、iPhoneでもAndroidスマホでも、多くの人で毎月2,500円〜3,000円程度、割引額が特に高い人で4,000円程度がこつこつと割り引かれます。

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最後の割引が適用される24か月目まで待った方が得をするように感じますが、ここで考慮すべきは、キャリアから格安SIMに乗り換えると、月々の割引サービス以上、毎月の料金を安くできるという事実です。
ですから、「割引サービスがまだ10か月残っているから…」と心配する必要はないのです。
割引サービスを今すぐ捨ててでも、格安SIMに乗り換えた方が得をするということになります。

端末購入から25か月以上使い続けている人は、月々の割引がなくなっているため、大きな損をしていることは言うまでもありません。
格安SIM乗り換えるか、機種変更をするかといった行動をすぐにした方がよいでしょう。

 

次に、「回線契約の2年縛り」を図で見てみましょう。

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こちらは、25か月目の更新月の2か月間だけ解約料9,500円がかからない、というものです。
※ソフトバンクは月末締めではないため注意が必要です。

さすがに格安SIMでも1か月で9,500円節約することはできないですから、「回線契約の縛りについてはタイミングを考慮することが必要になります。

更新月を待った方がよいのか、待たずにすぐ乗り換える方がよいのかを判断するには、格安SIMのプランを決定して、節約できる金額を調べておく必要があります。
まずはモデルケースを参考程度に見ておき、実際に契約する格安SIMのプランが決定したら計算をしてみてください。

計算式は、回線契約の更新月が先にやってくるか、月々の割引が先になくなるか、によって異なります。※「端末代金分割払い」が前提の計算式です。

更新月が来る前に割引がなくなる人

【計算式】
9,500円÷(月々割引なしの月額−格安SIMの月額)
=割引がなくなる月から更新月まで、待つ方が得する月数(小数点以下切り捨て)

少し複雑ですので、具体的に説明します。

  • ドコモiPhone 7の料金プラン/9,153円(月々割引なしの月額)
  • 楽天モバイル通話SIM3.1GBパック/1,600円

上記のケースで考えると
9500円÷(9153円−1600円)=1.25か月で、小数点以下切り捨てのため「1か月」となります。
「1か月」というのはつまり、割引がなくなる翌月が更新月という人のみ、更新月を待った方がよいということです。
あてはまる人はかなり少なそうですね。

割引がなくなる前に更新月が来る人・割引をすでに受けていない人

【計算式】
9,500円÷(月々割引適用後の月額−格安SIMの月額)
=更新月まで待った方が得する場合の月数(小数点以下切り捨て)
  • ドコモXperia Z4の料金プラン/7,020円(月々割引適用後の月額)
  • OCNモバイルONE通話SIM3GBコース/1,800円

上記のケースでは
9500円÷(7020円−1800円)=1.8か月で「1か月」となり、前述のコースと同様、割引がなくなる翌月が更新月という人のみ、更新月を待った方がよいということです。

 

計算してみると多くの場合、たとえ端末を購入した直後であったとしても、すぐに格安SIMに乗り換えた方がトータルで考えると得をするということがわかります。

一つ注意点としては、端末代金分割払いにしていて格安SIMに乗り換えると、分割払いの残金を一括で支払う必要があることです。
残金が多く残っている場合は、数万円という金額になりますので、その点は覚えておきましょう。