格安SIM対策?ドコモ発表の「eSIM」とは


NTTドコモは、SIMカードの加入者情報を遠隔から書き込み可能な「eSIMプラットフォーム」を開発したことを発表しました。対応する端末は2017年中に随時発売されるとのこと。聞きなれないこの言葉、いったい何を意味するのでしょうか?

 

従来のSIMカードが不要に

NTTドコモは、SIMカードの加入者情報を遠隔から書き込み可能な「eSIMプラットフォーム」を開発したことを発表しました。対応する端末は2017年中に随時発売されるとのこと。聞きなれないこの言葉、いったい何を意味するのでしょうか?

携帯電話やスマートフォンでモバイル通信をする場合、必須なのが「SIMカード」。これは、利用者が通信事業者と適切に契約をしていることを示すもので、基本的には貸出をされている扱いです。携帯電話端末などに差し込むことで、「その端末を正当な加入者が使っていること」を証明でき、正しく通信できるようになります。

現在、スマホを回線付きで利用する場合は、加入者は使いたいキャリアに対応した端末と、キャリアのSIMを準備する必要があります。格安SIMの場合は、これらを自分で調達する必要があり、手間がありました。昨今では格安SIMも端末セットが当たり前になりつつありましたが、こうした手間を軽減するという背景もあります。

こうした手間を解消する存在として期待されているのがeSIMです。eSIMは、基本的に本体に内蔵され、抜き差しをする必要がありません。書き込まれた情報を変更する場合は、ネットワーク経由でダイレクトに変更することができるためです。

eSIMは世界規格の「Remote SIM Provisioning Version2.0」に対応していますので、例えば、海外旅行時もSIMを差し替えずとも現地対応したSIMを利用できるようになると考えられます。また、SIMカードスロットが不要になるため、端末のデザインや剛性、防水性などにメリットがあると考えられます。

 

格安SIMへの影響は?

eSIMをMVNO(格安SIM事業者)にも提供するかについては、現在のところ言及がありませんが、もし提供されるようになれば、SIMの脱着すらなく、気軽に、その時々で最もお得なMVNOを選択できるようになるかもしれません。しかし、複数台のスマホに、SIMカードを差し替えて使っているようなヘビーユーザーには、大きなデメリットとなります。

また、ドコモ端末がeSIMのみ対応となった場合、SIMカードからeSIMの移行期にあたっては、格安SIMでドコモ端末を使えなくなることで一時的に白ロムの需給バランスが崩れる可能性があります。この際はドコモ端末ではなくSIMフリー機を利用することになると考えられますが、多くの格安SIM利用者がドコモ回線を用いたサービスに偏っている現状を見ると、大きな混乱を生む可能性もあります。

大きな革命となりうるeSIM、注意深く見守る必要がありそうです。


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